ディクテーション学習 参考資料1

2002年3月から7月初めまでの 朝日出版社の雑誌 『パワーアップリスニング』において、VOA SPECIAL ENGLISH を使ったディクテーション学習のモニターをしていただきました。以下はその分析結果です。パワーアップリスニングで行われたモニター参加者のやり取りなどは、弊社BBSで過去ログがご覧いただけます。左フレームのメニューから『POWER-UP LISTENING』 読者用をお選びください。

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「TOEICに挑戦」 参加者のディクテーションの正解率の推移

参加者のディクテーションの正解率の推移をグラフにして掲載してあります。
指導コメントもついています。学習の参考にしてください。

木本さんの正解率の推移

神戸市の木本忠雄さん(33歳)は,Voice of America Special English のディクテーションの面白さにはまってしまった人です。下のグラフに示したように、ほぼ毎日 Voice of America Special English news の1つ (約1分) のニュースを約 30 分かけてディクテーションし,その結果を 「ディクテーション自動採点システム」 を使って,正解率をチェックしています。
「ディクテーション自動採点システム」 のアドレス(現在は姉妹ページであるVOA-Study.netに掲載されています。)
VOA-Study.net
 http://www.voa-study.net/index.htm

下のグラフを見てください。11 月 16 日までとそれ以降とがまるっきり違った傾向を見せていることに気づかれるでしょう。11 月 16 日までは 「聞き慣れない固有名詞が出てくると、文の構造自体がわからなくなることがあった」 と本人も言われているように、文の構造自体を音声に惑わされていた状態です。

これが 11 月 19 日以降になると、正解率のばらつきが見られなくなり、安定してきています。つまり、固有名詞と他の品詞との区別がはっきりできるようになったということです。ニュース英語のなかで固有名詞の占める割合はそんなに多くありませんから、固有名詞と他の品詞との区別がつけられるようになるだけで、ずいぶんと気が楽になるはずです。こうなると、文の構造や文法の再構築ができるたびに楽しくなってきます。
(くわしいことは 『POWER-UP LISTENING』 2002年2月号で。)

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アヒルさんの正解率の推移

アヒルさんのディクテーションの正解率の推移です。
12月13日に 「何かが抜けたような感じ。今までとはまったく違って聞けた」 というメールをもらいました。確かに,12月13日以降のグラフとその前が丸っきり違っていることが分かります。「きもと」 さんの場合と同じです。

このように,ディクテーションを続けていると,どこかで 「スポッと抜ける」 感じがするはずです。皆さんも続けましょう。

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「なるみ」 さんの正解率の推移

「TOEIC挑戦」 参加者の3人目 「なるみ」 さんのディクテーションの正解率の推移です。
12 月8日までは正解率が上下していますが,その後は一定して上昇調です。11 月 17 日と 19 日ではちょうど 10 %の違いがありますが,送られてきた 「解答」 と 「余分な単語」 から判断しますと,いちばんの原因は,ニュースの長さだと思われます。もうひとつの原因は,正解率の高いニュースには固有名詞が多く使われていたことだと思います。

「なるみ」 さんの解答から,ちょうど 『Power-Up Listening』 の次号,2002 年2月号 (1月7日発売予定) の 「リスニングのコツ」 で扱っている現象に惑わされている面があることが分かりました。つまり 「ストレスの置かれない母音は消失しやすい」 という現象です。include を clude と聞いているところがありました。
また,「前の単語の語尾と次の単語の語頭が同じ子音の場合,前の単語の語尾が消える」 という現象にも悩まされています。Officials say ... などです。officials say の場合は,say に 「3単現の s 」 が付いていませんから,複数形だと判断しましょう。この判断は,前に述べたように,音声を聞かない状態の時にするようにします。
同じ子音でなくても,似た子音の場合も同じような現象が起きます。records the actions というような場合の records の語尾です。the に引きずられて消えたり弱くなったりして聞こえないことがあります。

このように考えていくと,ディクテーション学習は,自分の弱点がよく分かる学習法だとお分かりいただけると思います。「ディクテーション自動採点システム」 を使ったとき,採点結果のページで正解率のすぐ下に 「余分な単語」 として間違った単語が表示されます。これは重要なポイントですから,正解率だけを見てすぐにページを閉じないで,「余分な単語」 を書き出して,正解のスクリプトと照らし合わせ,復習してください。

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Anne さんの正解率の推移

TOEIC 挑戦参加者である Anne さんのディクテーションの正解率の推移です。
Anne さんは12月に入ってから参加した人で,非常に熱心な学習者です。

グラフを見ると,今までの3人と同じように,10 回目あたりまでは激しい上下を見せていますが,そのあとは高いところで安定してきています。12 月 26 日だけがストンと落ちています。この時,ご本人は次のようなコメントを添えて採点しています。
「この課題はなんだかとても難しく感じました。イメージが湧かなかったのです。だらだら時間をかけても堂々巡りのまま終わるような気がしてしまって中途半端なまま答え合わせをしてしまいました。ちょっと不本意な結果です。」

Anne さんがこの日にディクテーションしたのは 12 月4日の 「ニュース2」 です。解答とスクリプトを比べてみましたが,「堂々巡り」 のイライラ度が伝わってくるような解答でした。例えば,an earlier disputes や end a talks のように,an や a があるのに複数形にしてしまったりという個所があります。平常心の時はたぶん見直しで気が付くレベルです。こんな時は 「こんな時もあるさ」 くらいに考えて気分転換しましょう。ニュースの内容によっては,例えば自分に興味がないニュースとか自分の分野ではないニュースなどでは極端に正解率が悪くなることもあるでしょう。逆に言うと,このことは,「物理音声の認識」 から 「内容の認識」 に変化しつつあるということですから,それだけ進歩したということなのです。


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「るんるん」 さんの正解率の推移

初めのうち (2001年11月~12月初め) は高い正解率で推移していたのが,後半 (12月半ば以降) に逆に低くなっています。これは,もちろんリスニング力 (英語力) が落ちたわけではありません。このくらいの期間で英語力が落ちることはあり得ません。たぶんこの現象は,ディクテーションに慣れてしまったためでしょう。つまり、慣れてしまったため,最初は熱心に聞いて細かく調べていたのが,慣れたために,やや雑になってしまったということではないでしょうか。それと,気が付いたのが,連続してディクテーションした時は少し上がっているのに,時間を空けると下がってしまっているということです。これからも,継続して学習することの大切さが分かるのではないでしょうか。


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Bagus さんの正解率の推移

現象がややつかみにくいグラフになってしまいました。ほぼ交互に上下しています。推測できることは,「前に悪かったので今度は頑張ろう」 と時間をかけてディクテーションをした結果,正解率が上がり,次は少し安心して下がるという繰り返し現象かもしれません。ただ,それぞれのディクテーションの間が空き過ぎていることは否定できません。やはり,もっと頻繁に継続してディクテーションすれば,今まで掲載したほかのグラフのように安定した正解率になるだろうとは思います。

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morio さんの正解率の推移

この方は 『パワ・リス』 の参加者ではありませんが,熱心にディクテーションをなさっている方です。お名前が分かりませんので,メールアドレスの 「@マーク」 の前だけを取り出してお名前としました。日付を見ると,ほぼ毎日続けてディクテーションしていることが分かります。その分,途中から揺れが小さくなっていると言えるでしょう。やはり,継続の重要性がお分かりいただけると思います。

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[参考2 ディクテーションの頻度と正解率の上昇角度へ]