TOEIC® TEST 形式で学ぶ リスニング・トレーニング

 私どもの新刊本のお知らせです。

 本書は TOEIC® L&R Test の出題形式を使って学習を進めていく流れになっており、TOEIC「対策本」としてだけでなく、実生活での英語リスニング能力を養成できる仕組みになっています。
 私どもでは、TOEIC 関連教材を長年開発してきた経験から、このテストの出題形式がリスニング力を含む英語能力を段階的に効果的に伸ばしていくのに最も適切なステップになっていることを認識してきました。
 パートが進むにつれて、文字の音素の認識から単語の発音、単語から単文、複数の文、そして長い文章のリスニングのようにステップが上がっていきます。
 本書では、こうした TOEICの特性を活かし、その出題形式を使った質問形式でリスニング力を伸ばしていくシステムにしました。

TOEICのセンシティビティ・レビューのこと

 TOEICでは、センシティビティ・レビューという作業工程が採られています。ある受験者に有利・不利に働くような内容や単語、表現などが使われていないかどうかをチェックしたり、気分を害するような不適切な内容が含まれていないかなどを調べたりしています。

 例えば、戦争、人種差別、死、事故、特定の病気、アルコール、性的なこと、倒産、リストラ、その他のネガティブなことなどは、題材や文章から排除されます。

積み残しということ

 センシティビティ・レビューによって、上で述べた分野やジャンルに関する単語は TOEICでは使われないことになります。ですから、TOEIC受験対策に特化した勉強ばかりを続けていると、ビジネスや社会生活に重要な多くの分野やジャンルに関する語彙や表現を積み残したまま、TOEICのスコアだけが伸びていくということになりかねません。
 本書ではこうしたことに鑑み、TOEICでは使われないジャンルの内容や表現も敢えて取り上げました。幅広い内容のリスニング力をつけてください。

レベル別と「選択肢3つ」の学習

 本書では、それぞれの章で、少しずつ英文や会話の長さを長くしていく「レベル別学習」を採用しています。こうした学習法によって、耳が慣れていきますし、なにより、単語力や読解力といった英語の潜在能力を外に引き出す効果があるのです。

 また、TOEICでは Part 2を除き、選択肢は4つですが、本書では3つの選択肢で学習を進めます。もとより、本書は模擬問題集ではありませんし、さらに言えば、この学習法は、状況や内容を瞬時に判断する力を養成するのに適しているからです。

 それでは、各章ごとに、その特長と学習法を見ていきましょう。

本書での学習法と特長

第1章 ― 文にまぎれた単語の発音を確実にキャッチする
 この章では、TOEICPart 1写真描写問題」の出題形式を使って学習を進めていきます。TOEICでは写真を使った問題が出題されますが、本書ではイラストも使います。写真と違い、イラストはポイントを絞った視覚情報が得られるからです。

 単語1語だけで発音されれば聴いて判断できるのに、文の中にまぎれると、その単語が聴き取れなかったりします。また、文字で見るとすぐに分かる簡単な単語が、文の中では他の単語に聞こえてしまうこともあります。このように、単語の発音が文の中ではどのように変わるのかの「音声変化現象」のルールを学習していきましょう。

 また、視覚情報量の違いによって、リスニングの度合いが大きく変わってきます。イラストを使った学習でその違いを実感し、必要な情報を的確に拾い上げていくリスニング法を学習しましょう。それから、いろいろな語順の構文の英語を、英語の語順のまま理解する方法も学習していきます。
 
第2章 ― 質問文と応答文の状況をキャッチし、確実に聴き取るトレーニング
 この章では、Part 2応答問題」の出題形式を使って学習を進めます。写真描写文のような1文から<質問文 プラス 応答文>の形になると、リスニングをむずかしくする要因が増えてきます。また写真[イラスト]描写文と違い、視覚情報がない文を聴くわけですから、そのぶん、リスニングがむずかしくなります。

 この章では、次のような要素を克服し、リスニング力をアップする学習法を学びます。
 ① 質問と応答が行われている状況を的確に判断する。
 ② 紛らわしい発音の単語を文の中でもキャッチできるようになる。
 ③ 聴き取りの柔軟性を養成する。

 この③番は、TOEICの問題によく使われる、生活英語に頻出の「意外な応答」などにも慣れるリスニング力を身につける学習です。

レベル別と「選択肢3つ」の学習

 会話文が複数のやりとりになると、<質問文+応答文>のときとは、また違ったリスニングの要素が増えてきます。次の要素を克服してリスニング力をアップさせます。

 ① 会話の内容をすばやく判断する。
 会話がどこで行われているのか、また誰と誰の会話でどういう内容なのかといった会話の状況をすばやく判断することが、「会話問題」ではいちばんのポイントです。レッスンの初めに、状況判断力を養成します。

 ② 推測と軌道修正力を養成する。
 長い会話では、途中で展開が変わったりすることがよくあります。また、「この会話のあとに起こることの予測」を質問してくることもあります。そうしたときの推測や軌道修正をする能力を養成します。

 ③ 言い換え表現をキャッチする。
 どの英語のテストでも使われるのが、問題文で使われた単語や表現を、質問文や選択肢では別の語や表現で表すことです。そうした「言い換え表現」の理解は非常に重要です。こうした理解力を養成するレッスンです。

第4章 ― 1人が話す説明文の状況と内容をキャッチし、確実に内容を理解するトレーニング

 この章では、学習の展開は第3章とほぼ同じですが、最後に、長い説明文を聴いても途中でスタミナ切れにならないリスニング力を養成する学習を展開していきます。

本書での学習の流れ(目次より)

第1章 文にまぎれた単語の発音を確実にキャッチする
 Lesson 1  紛らわしい発音の語や音声変化現象に慣れよう
  1. 紛らわしい発音の単語を聴き分ける。
  2. 音声変化現象に慣れましょう。 
 Lesson 2  視覚情報量の違いでリスニングはどう変わる?
 Lesson 3  英語の語順で理解するリスニング法を修得する
  1. 単文を聴き取る。
  2. 重文や複文を聴き取る。
  3. 関係詞節・後置修飾の文を聴き取る。
  4. 分詞構文の文を聴き取る。

第2章 質問文と応答文の状況をキャッチし、確実に聴き取るトレーニング
 Lesson 1  適確な状況判断力を身に付けよう
  1. 質問文を聴き取る状況判断力養成。
  2. 質問文と応答文をセットで状況判断。
 Lesson 2  紛らわしい発音の単語を文の中でキャッチする
 Lesson 3  意外な応答にも対応しよう
       ― 聴き取りの柔軟性を養成 ―

第3章 会話の状況をキャッチし、展開や内容を確実に把握するトレーニング
 Lesson 1 会話の内容をすばやく判断するトレーニング
 Lesson 2 推測と軌道修正力を養成するトレーニング
 Lesson 3 言い換え表現をキャッチするトレーニング

第4章 説明文の状況と内容をキャッチし、確実に内容を理解するトレーニング
 Lesson 1 説明文の状況をすばやく判断するトレーニング
 Lesson 2 推測と軌道修正力を養成するトレーニング
 Lesson 3 耳にスタミナ、持久力をつけましょう!

コラム
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