おもしろ英語のまちがい ―― 1

 Gems of Japanized English という本があります。1988年に Charles E. Tuttle Company という出版社から出版された、英語で書かれた本です。それに、戦後の進駐軍の兵士たちのために英語で書かれた看板や掲示などを紹介していますが、それがおもしろく間違っているのです。
 そうした間違いを紹介していきましょう。

Ladies Have Fits Upstairs

 ある衣料品店にあった掲示です。
 Ladies have fits upstairs. という掲示です。「女性は2階で試着をすることができます」と言いたかったのでしょうけど、have a fit は「発作を起こす、ひきつけを起こす」という意味ですから、「女性は2階に上がるとひきつけを起こしますよ」のような意味に取られてしまいます。
 ですから、イラストのように、店の前の女性がひきつけを起こした自分を思い描き、店に入るのを躊躇しているというわけです。

 衣料品店の掲示では、ほかにこんなものもあったようです。
 Fur coats made for ladies from their own skins.

 

Do Not Enter Bath with Soap Bubbling Body

次のイラストを見てみましょう。

 これは昔、京都のある旅館にあった掲示のようです。日本の風呂の入り方を注意した掲示ですね。「石けんの泡が付いた身体のまま風呂桶に入ってはいけません」という意味にしたかったわけですね。

 意味は十分に通じる表現だろうとは思いますが、これを見たイギリス人は驚いたそうです。soap bubbling body という表現では、「石けんの泡が身体から吹き出している」状態を表してしまいます。

名詞を修飾する現在分詞
 現在分詞は名詞を修飾する形容詞の働きをすることができます。ただ「~している何々」という意味のつもりで <現在分詞+名詞> にしてしまうと、ネイティブ・スピーカーには奇妙に思える表現になったりするので、注意が必要です。

 例えば、That woman is smoking. は「あの女性はタバコを吸っている」 で正しい英文ですが、「タバコを吸っている女性」 という意味にしようと、a smoking woman とすると、「身体から煙を出している女性」 という意味に取られかねません。

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