「いつも」という意味だが、all the time と at all times は使い方が違う。

 ある雑誌に、英語圏で使われている看板や掲示、交通標識などを使って「生活英語」を学習する特集記事を書くように頼まれたことがあります。

 下の写真を使って、

at all times なので、このドアは開けることができます。もし all the time が使われていたら、開かずのトビラです

と書いたところ、編集部から「ネイティブ・スピーカーのスタッフが at all times と all the time は同じように使われると言っているので、この原稿は使えません」という通知が来ました。

 それで私が 「at all times は複数形で、all the time は単数形(不可算名詞)なのに、どうして同じように使われるのか、その違いを説明してほしい」 とたずねても、そのネイティブ・スピーカーは明確に答えてはくれませんでした。おそらく、自分でも分からなかったのでしょう。

 次の2つの例文を見てください。

【例】 Fasten your seatbelt at all times.
    I have my smartphone switched on all the time.

 上の文は「シートベルトはいつも締めましょう」という意味で、下の文は「私はスマートフォンの電源はいつもオンにしている」という意味ですね。

 いずれも、日本語では 「いつも」 という意味になります。

 英語の表現で「これでいいのだろうか」というとき、私たちはよく「ネイティブはそう言う」と言って、彼らが言うことを金科玉条のごとく信じることが多いようですが、日本語で考えてみても、間違った日本語を使う人が多い表現もあります。

 ネイティブ・スピーカーがそう言うから正しい表現だとは限りません。でもなぜか、英語だと「ネイティブはそう言う」から正しいことになってしまうようです。

 さて、最初の at all times と all the time に話を戻しましょう。

 例文の Fasten your seatbelt at all times. (シートベルトはいつも締めましょう) の文で、at all times の代わりに all the time を使うことはできません。all the time を使うと、車を降りてもシートベルトをしていることになってしまいます。「乗ったときはいつも」ということですから、at all times でなければならないわけです。

 逆に、「スマホの電源はいつも入れている」に at all times を使うと、「使うときはいつも電源を入れる」となりますが、そもそも電源を入れなければスマホは使えませんから、けったいな意味の文になりますね。

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