カリフォルニアの青い空 ― 36.Palm Springs で、花の配達

 ドーナツ屋さんでのアルバイトは、始めてから1年後くらいに店主が日本から奥さんをもらい、その奥さんが店を手伝うようになったため、辞めることになった。

 ほかにやった主なアルバイトは、ちょっとした庭師のほかに花の配達がある。こうしたバイトは、ドーナツ店でのバイトと併行してやってはいたのだが。

 私が住んでいた Indioという町から40マイルほど北西に離れたところに、Palm Springs という町がある。Coachella Valley ではこの町がいちばん有名で、セレブも多く住んでいる。セレブの別荘が数多くある。
 『パームスプリングの週末 (Palm Springs Weekend)』という映画を覚えている方もおられるかもしれない。また、『アメリカン・ジゴロ(American Gigolo)』という映画のシーンでも使われた。

 この町に、ご主人は日系2世で奥さんが1世、つまり日本から嫁いでいった人、というご家族があった。この家は Palm Springs のダウンタウンで花屋さんを営んでいた。

 アメリカでは、いろいろな occasion(クリスマスや母の日など)に花を贈る。その花の配達のアルバイトを頼まれた。このアルバイトは毎日とか毎週末とかではなく、こうした occasionがあるときだけである。なので、定期的な収入にはならなかった。

 花の配達の時給も2ドル50セントだった。ただ、このアルバイトには特典があった。配達に行った先でチップがもらえるのである。このチップは店に報告する必要がなく、自分で手にすることができた。

 と言っても、チップは1軒でもらうのがせいぜい25セント硬貨1枚(quarterと呼ばれる。当時のレートで75円)か、多くても50セントくらい。ほんとうに「たまに」1ドル紙幣をくれる人もいた。
 なので、1日に10箇所配達したとしても、チップは2ドル50セントくらいにしかならなかったが。

 この花の配達でのエピソードは、次回からも少し書いていく。

コメント

  1. […]  前の記事で述べた「いろいろな occasion」 で主なものは、次のような行事である。 […]

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