「史上最悪の愚策」か?

 フェイスブックに私は、ある有名な教育評論家のことを「この人の言うことはあまり信用していない」と書いた。

 それは、以前にこのようなことがあったからだ。

 かなり前になるが、鹿児島県のある高校が、旧帝大や国立大学に合格した生徒に100万円までの奨学金をあげる制度を作った。このニュースが出たとき、ある有名な教育評論家が「金で釣る教育。史上最悪の愚策だ」と言った。

 私はこのとき「この人は過疎地の高校の苦悩を知らんまま勝手なことを言っているな。ちゃんと背景を調べてから言っているのか」と思ったのである。

 例えば、離島の高校が生徒数不足で閉校になったとすると、15歳から18歳の層が、その島から消えるのである。夏休みや冬休みには帰省するかもしれないが。

 こうならないように、いくつもの高校が生徒の確保に大変な努力をしているのである。この人はこうしたことも調べないまま、思い付いたことをしゃべっているなと思ったのである。

 本土の高校が廃校になったとしても、まだ他の高校に自宅から通学できる方法は残っているかもしれない。遠くなって通学は大変だろうが。
 
 都会の子どもたちは、親元から通えば、授業料の高い私立大学であってもやっていけるかもしれないが、地方の子どもたちは、授業料の安い国立大学であっても、親元から離れて暮らさざるを得ないから、金がかかる。親に負担はかけられないと、進学を断念する子も出るだろう。

 そうしたときに、少しでも奨学金が出るのであれば、そういう大学をねらって猛勉強するかもしれない。

 そうした奨学金制度に、どうして「史上最悪の愚策」だとけなして言えるのか。

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