カリフォルニアの青い空 ― 26.ハリケーン

 アメリカの砂漠地帯に住み始めて1か月、まだ最初の大学近くのアパートでルームシェアをしていた頃だったが、カリフォルニア州南部をハリケーンが襲った。
 ハリケーンはアメリカの東部や南部に襲来することはよくあるが、西部のカリフォルニア州を襲うことは稀である。

 1年に1回か2回くらいしか雨が降らない地である。私が住んだ22か月のうちでも、雨が降ったのを覚えているのは、このハリケーンと次の年の1月くらいの雨だけである。

 1976年9月7日に襲ったハリケーンは「キャスリーン (Kathleen)」と名付けられている。160年に一度の規模だったそうだ。

 夕方頃から降り始めた雨が、夜半には豪雨になった。砂漠に来て初めての雨だったし、ときどき稲光もして、私はずっと窓から外を眺めていたものだった。ただ、台風のような強い風はなかったように記憶している。

 夜が明けると、いつものような太陽と高い気温が戻っていた。

 ハリケーンが襲ったのは金曜日の夜だった。そして、明けた土曜日には、いろいろな情報が入ってきた。ある日本人留学生のアパートに集まって情報交換すると、近辺の町で大きな被害を受けたのは、大学がある Palm Desert くらいで、Coachella Valley のほかの町にはそんなに被害はなかったようだ。

 Palm Desert の町は砂漠なので、言わば砂地である。近くの山には木が生えていない。その山から洪水で流れ出した土砂で多くの家が砂まみれになったようだ。

 その一軒に、あの我々留学生がたいへんお世話になっている ESLの責任者 Dr. Kroonen の邸宅があった。つまり、私が日本にいるときから手紙のやり取りをさせていただいた先生である。

 留学生みんなで片付けの手伝いに行こうということになり、ガーデナーをやっている先輩が、いろいろな道具を集めてきてくれた。そうした道具を持って Dr. Kroonenの家に行くと、やはりすごい被害だった。

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